美ヶ原高原 (歴史)
360度の大パノラマ
● 美ヶ原高原は、八ヶ岳中信高原国定公園の北西部に位置し、長野県松本市、上田市、小県郡長和町にまたがる高原です。主峰である王ヶ頭(2034m)を中心に、北に武石峰(1973m)、南に茶臼山(2006m)、東に物見石山(1985m)、西に王ヶ鼻(2008m)と、いずれも標高2000m近い熔岩台地からなる高原です。
● 高原は約1千ヘクタールの広さの大草原で、夏には200種類を超える亜高山植物が咲き競い、牛が放牧されます。高原台上はほぼ平坦で、360度のパノラマが壮麗な景観を展開し、遠く富士山をはじめ、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳の雄大な姿を見ることができますよ。
不意に、世界の天井が抜けたかと思ふ。
● 高原の中央にはシンボルタワーである『美しの塔』があります。昭和29年、霧の発生時に鐘を鳴らし、登山者を安全に導く目的で建設され、昭和58年に原形のまま
建替えられました。毎年4月25日にはこの塔の前で開山祭が行われます。 塔の南側には、山岳詩人である尾崎喜八氏の『美ヶ原熔岩台地』の詩が、北側には、
美ヶ原高原の開拓者で山本小屋創設者山本俊一翁のブロンズ像が刻まれています。
大自然の中の人工造形物
● 美ヶ原高原には、長野県の放送局(NHK、SBC、NBS、TSB、ABN、FM長野)の送信所のほか、NTT、国土交通省、長野県防災行政無線などの中継所、中部電力のマイクロ波反射板などが建てられており、放送・通信の要衝となっています。美ヶ原高原へはじめていらっしゃった方は、大自然の中には似つかわしくない電波塔が並ぶ姿をみて、ちょっと異様に感じるかもしれませんね。
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